植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

北アルプス山麓からの植物だより(2)             2011-04-30

ザゼンソウSymplocarpus foetidus (サトイモ科)
よく知られているミズバショウLysichiton camtschatcense の仏焔苞が白色なのに対し、茶色の仏焔苞を持つザゼンソウの花です。棒状の肉穂花序に多数の花を咲かせますが、めしべが先に熟し、後でおしべが熟してきます。画像の花はではおしべが多数みられます。北海道・本州.の水湿地に見られ、白馬山麓の所々の湿原・湿地で比較的簡単に見られます。
フクジュソウ Adonis ramose (キンポウゲ科)
白馬村佐野坂・姫川源流に見られるフクジュソウの大群落です。これだけの群落をみると株を採っていこうとする思いも無くなってしまします。周辺に畑などの耕作地が見られますがその畑の中までフクジュソウが生育しているのには驚かさせられます。
白馬山麓ではカタクリの花の大きな群落が各地で見られますが、フクジュソウErythronium japonicum(ユリ科)の満開時よりはフクジュソウの満開時は1週間ほど早いような気がします。

画像 上から
・ザゼンソウ
・ザゼンソウの肉穂花序と雄花
・フクジュソウの群落
・フクジュソウの花
・カタクリ
                (植物園 伊藤健)

北アルプス山麓からの植物だより 2011-04-29

農大エクステンションセンターによるオープンカレッジ講座「早春の北アルプス白馬山麓の植物を訪ねてパート1」のため、白馬村に滞在中。昨日下見をしてきましたので一部の花を紹介します。

上)

コシノコバイモ Fritillaria japonica var.koidzumiana (ユリ科)
名前にユリとありますがユリ属Liliumの仲間ではなく、クロユリFritillaria camtschatcensisのな仲間で、新潟県を中心に見られますが、一部山梨県などでも見られます。草丈10cm程の小型の植物でなかなか見つけられないのでは?

中)ヒトリシズカ Chloranthus japonicus (センリョウ科)
草丈10cmほどの多年草で、山草愛好家の人なら誰でも知っている植物で、花にガクも花弁もありませんが何故か人気のある植物です。

下)ナガハシスミレ Viola rostrata var. japonica (スミレ科)
日本には細かく分類すると100種類ほどのスミレがあるといわれていますが、別名)テングスミレの名前はすぐ覚えられます。スミレ属の特徴である距は長く、画像でもわかるように花の後方から上に長く伸びています。
                 (植物園 伊藤健)

植物開花情報 ナリタフクジュソウ(ヒメフクジュソウ)Adonis sp.(キンポウゲ科) 2011-04-26

今期のフクジュソウの花はすでに開花は終了し、一部の種では結実していますが、今日突然、フクジュソウが開花しました。実はこの株は一部山草愛好家の間ではナリタフクジュソウとよばれるもので、千葉県成田国際空港付近にみられたもので、現在では野生のものはみられないとか。画像をよく見て下さい。左下に1円玉(径2cm)が置いてあります。草丈10cmに満たないほど小さく、花径も2cm以下。ちなみに現在日本で記録されたフクジュソウ属の植物はキタミフクジュソウA. amurensis、ミチノクフクジュソウA. multiflora、フクジュソウA. ramosa、シコクフクジュソウA. shikokuensisの4種。ではナリタフクジュソウはこの4種のどれか?              (植物園 伊藤健)

植物開花情報 ハンカチノキDavidia involucrate (ヌマミズキ科) 2011-04-26

中国、四川・雲南省などのパンダの生息域などにみられる落葉高木のハンカチノキが開花しました。一昔前なら、この花が開花するとマスコミなどで伝えられる珍しい植物で、姿・形からつけられた和名ハイイカチノキも簡単に思えられるのでは。今回開花した木は樹高約10mほどで、一昨年からやっと開花し始め、今回は驚くほどの多数の花が着いています。苞の下にみられる球状の花の部分を見てみましょう。この部分は実は頭状花序で、多数の雄花と1個の両性花からなり、花には花被(萼、花弁)はありません。雄花は1〜7本の雄しべのみからなり、両性花には約10本の雄しべと1本の雌しべがみられます。             (植物園 伊藤健)

植物開花情報 タマノカンアイ(多摩の寒葵) Asarum tamaense (ウマノスズクサ科) 2011-04-25

カンアオイという地味は花を地際に咲かせ、一般の方には縁遠い植物のように思われますが、徳川家の家紋「三つ葉葵」を思い出してください。カンアオイの仲間の葉をデザイン化したといわれています。さて、タマノカンアイオですが、本来は多摩丘陵とその周辺にのみ自生し、現在では自生地付近の宅地化が進み、絶滅危惧種にも指定されています。落ち葉のなかに半分うずまるようにして、カンアオイの仲間としては特徴ある葉を広げ、さらに地際の完全に落ち葉に埋まって黒っぽいタコツボのような小さな花が咲いています。なぜ厚木キャンパスにあるかは謎ですが、ひっそりと咲く花です、こっそり見たらまた静かにしておきましょう。
 (博物館実習生 バイセラ4年 春日谷 厚尚)

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