植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

植物開花情報(490) ヤブカンゾウHemerocallis fulva L. var. kwanso Regel(ユリ科) 2014-06-30 東京農大・農学部・植物園

ヤブカンゾウHemerocallis fulva L. var. kwanso Regel(ユリ科)

八重咲きのヤブカンゾウの花が咲きはじめました。中国原産の自然帰化植物と考えられる多年草で、本州以南の人の生活する場所近く、林の脇や耕地の脇などによく見られます。花は八重咲きで雄蕊、雌蕊は花被化し、3倍体であるために種子はできず、匍匐する茎で増殖します。近縁種のノカンゾウHemerocallis fulva var. longitubaはヤブカンゾウと同種の変種関係でこちらは6個の花被を持った一重咲きです。
 春先、若芽や葉を和え物,お浸し、煮物などとして古くから食べられていたようです。平安時代に書物「和名抄」には若葉を食べると美味しく憂いを忘れる記載されています。また、根は乾燥させ、利尿剤
の漢方薬にもなります。             (植物園 伊藤健)

北アルプス山麓からの植物情報(489) 栂池湿原の植物 2014-06-28 東京農大・農学部・植物園

栂池湿原の植物

カレッジ講座開催のために白馬村に滞在、今日は下見のために栂池湿原を探索。明日の観察会に備えます。

今の季節、栂池といえばミスバショウLysichiton camtschatcense (サトイモ科)、期待どうりの花を咲かせています。今年は遅霜もなかったのは白い苞も痛んだものもなく素晴らしいです。

湿原の足元ではリュウキンカCaltha palustris var. nipponica (キンポウゲ科)が鮮やかな花を咲かせ、一部ですがキヌガサソウKinugasa japonica(ユリ科)の豪華な花も開花しています。

高山植物の名花シラネアオイGlaucidium palmatum(シラネアオイ科)は開花まで今一歩。地味ですがここ栂池湿原が自生南限あたるクロバナロウゲComarum palustre(バラ科)も湿原になかで葉を展開し始めています。

高いところに生育するシラカンバ(白樺) Betula platyphylla var. japonicaで標高の高い場所に見られる近縁種ダケカンバB. ermanii もよく見ると垂れ下がった大きな雄花序の上に雌花序は花を咲かせています。

林の中では少し終わりに近いに近いですがムラサキヤシオツツジ
Rhododendron albrechtii(ツツジ科)が品のある花を咲かせています。

栂池湿原の下に位置する栂ノ森ではすでに咲き終わったミズバショウが1m以上の葉を展開し、さながらミスバショウ畑といった感があります。

少し明るい場所ではカラフトダイコンソウGeum macrophyllum var. sachalinense(バラ科)、林の中ではサンカヨウDiphylleia grayi(メギ科)が清楚な花を咲かせています。

ケーブル脇の車道近くでは、オオイヌノフグリVeronica persica (オオバコ科)の同属植物テングクワガタVeronica serpyllifolia subsp.  humifusa が、またノビネチドリNeolindleya camtschatica(ラン科)が長さ30cm以上の立派な花茎を伸ばし、花を咲かせています。

さて明日はどんな花を講座参加者に紹介できるか楽しみです。

画像 上から
   ミズバショウ咲き誇る栂池湿原
   ミズバショウ
   リュウキンカ
   キヌガサソウ
   シラネアオイ
   クロバナロウゲ
   ダケカンバ
   ムラサキヤシオツツジ
   花期を終え、大きく生長したミズバショウ
            (一見ミズバショウ畑か?)  
   カラフトダイコンソウ
   サンカヨウ
   テングクワガタ
   ノビネチドリ
   
              (植物園 伊藤健)




植物開花情報(488) クサレダマ(サクラソウ科)  2014-06-27 東京農大・農学部・植物園

クサレダマLysimachia vulgaris L. var. davrica R.Knuth(サクラソウ科)

早くもクサレダマの花が咲きはじめました。一般方はその和名を聞き、匂いの臭い花がと連想しますが、マメ科のレダマSpartium junceumに似た草本植物から由来した名前です。従って、和名をいう時は、クサ レダマということになります。 湿原の周辺や沼沢地に生育する多年草で、北海道・本州・九州に分布し、朝鮮・中国・シベリアに分布します。直立する茎は1m近くのなり葉は対生、または3,4輪生し、先端部や上部葉腋から円錐花序出し、径1cm余りの鮮やかな黄色の花を多数咲かせます。地下茎で増え群生することが多く、花が咲く時は野草とは思えない美しさを感じさせてくれます。         (植物園 伊藤健)

植物開花情報(487) スイレンボクGrewia occidentalis L. (シナノキ科) 2014-06-25 東京農大・農学部・植物園

スイレンボクGrewia occidentalis L. (シナノキ科)

キャンパス内の「もったいないガーデン」で今の季節、温帯スイレンの花が咲いていますが、そのスイレンの花に似ているところからスイレンボク(睡蓮木)と呼ばれます。南アフリカ原産の非耐寒性常緑低木で、暖かい地域では屋外での栽培も可能です。花の直径は3cm前後、10枚の花弁を持つように見えるが、そのうちの外側の5枚は萼片、内側のやや短いものが花弁にあたります。       (植物園 伊藤健)

植物開花情報(486) アメリカデイゴErythrina crista-galli L. (マメ科) 2014-06-24 東京農大・農学部・植物園

アメリカデイゴErythrina crista-galli L. (マメ科)

これぞ熱帯植物といえるアメリカデイゴの鮮やかな真っ赤な花が咲きはじめました。同属の植物に沖縄県の県花デイゴE. variegataは本種と同属の植物でもあります。南アメリカ原産の落葉低木で、日本へは江戸時代に渡来したとされますが、寒さに弱いために関東以南で栽培可能で、鹿児島県の県木に指定されています。また、アルゼンチン、ウルグアイの国花であります。今の季節にその年の伸びた枝の先端部に総状花序つくり鮮紅色の蝶形の花を咲かせ、開花後さらに伸びた枝に再度花を咲かせます。キャンパス内でも2度花を見ることができますが、暖かい地方では1年に3回ほど開花します。葉は3出複葉で葉柄や葉裏などに刺があるのも特徴です。      (植物園 伊藤健)

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