植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

植物情報(599) Lycopodium nummularifolium Blume(ヒカゲノカズラ科) 2014-10-22 東京農大・農学部・植物園

Lycopodium nummularifolium Blume(ヒカゲノカズラ科)

熱帯アジアの雲霧林などに着生・下垂するシダ植物で、この株で下垂する枝の長さは60cmあまりあります。茎に扁平状の小さな小葉をつけ茎は板状で分枝は2又で、姿が植物とは思われない幾何学的で美しさがあります。下垂する枝の先端部は茎が丸く細くなり胞子のうをつけます。毎年タイの花市場を訪ねていますが、ヒカゲノカズラ属に下垂するタイプの植物をインテリアとして利用するのかいくつかの種類が販売されています。ただし、その多くは山取りと思われるものです。に日本でも極稀に販売・栽培されます。         (植物園 伊藤健)

植物結実情報(598) ミラクルフルーツ Synsepalum dulcificum Daniell(アカテツ科) 2014-10-21 東京農大・農学部・植物園

ミラクルフルーツ Synsepalum dulcificum Daniell(アカテツ科)

一時マスコミで多数取り上げられた植物です。西アフリカ原産の常緑低木で、その果実自体はコーヒー豆ほどの大きさで甘くありませんが、この果実の果肉を舌の上で転がすようにした後、その後に食べた物を甘く感じさせる特徴を持ちます。従って、レモンなどをバリバリ食べることができます。果中に含まれるミラクリン分子が舌の味蕾に結合し、次に食べた苦味や酸味のある食べ物および薬剤を甘く感じさせます。この効果は30分から2時間程度持続します。従って、糖尿病などの糖分に控える方には有効と思われますが、料理を提供するが側の人によっては、すべてのものを甘くしてしまい好まないようです。                                    (植物園 伊藤健)

植物開花情報(597) キクタニギク(キク科) 2014-10-20 東京農大・農学部・植物園

キクタニギクChrysanthemum seticuspe Hand.-Mazz. f. boreale H.Ohashi et Yonek.(キク科)

岩手県以南の東北地方の太平洋側から関東地方・長野県・近畿地方、九州北部、朝鮮、中国に分布する多年草で、日本の一部の地域では絶滅危惧種に指定されています。ところが近年、国内の自生地と思われない場所から分布の記録が報告されています。その主たる生育場所は道路法面で、道路が整備される際、そののり面にはヨモギの種子が緑化のために吹き付けられます。この種子は価格が安い中国から購入したものと思われ、種子を採取する際に混入したと思われるキクタニギクなどが混じっておりそれが生育したものと考えられています。種の多様性を考えれば、まだもともとあった個体群が残っているならそれを守ることが、その種の多様性を保全することになるとは思いませんか。 (植物園 伊藤健)

植物開花情報(596) ジュウガツザクラ Prunus × subhirtella ‘Autumnalis’ (バラ科) 2014-10-19 東京農大・農学部・植物園

ジュウガツザクラPrunus × subhirtella ‘Autumnalis’ (バラ科)

日本人の好きな花にサクラがあります。そして、サクラといえば春に咲くものと多くの人が思っていますが、今の季節秋から冬に咲き、春にまた咲く2季咲性のものが幾つか知られています。ジュウガツザクラ(十月桜)はそのようなサクラの1種で今日開花しました。分類的にはエドヒガンP. pendula form. ascendensとマメザクラP. incisaの交雑種といわれるコヒガンザクラP. × subhirtella ‘Subhirtella’の園芸品種と考えられています。少し解りにくいですがマメザクラの形質である萼の縁に鋸歯が見られます。                (植物園 伊藤健)

植物開花情報(595) ツワブキFarfugium japonicum Kitam.(キク科) 2014-10-18 東京農大・農学部・植物園

ツワブキFarfugium japonicum Kitam.(キク科)

本来は海岸地帯を主に生育する常緑性の多年草で、秋から初冬の花の少ない季節に開花すること・日陰でも生育することから古くから園芸植物として利用されています。葉はすべて根生葉で、葉身は基部が大きく左右に張り出し全体で円形に近く、長い葉柄を持ち、葉柄は大きく切れ込んだ葉身の中心につく。これらの点はフキによく似ています。また、今回紹介する品種のように葉に斑入りのものなどが知られています。10月から11月に根生葉の集まった中央部から花茎を伸ばし、その先端に散房花序をつけ、直径5cm程度の鮮やかな黄色い花を数輪咲かせます。分布域は広く福島県・石川県以西から四国、九州、琉球諸島(大東諸島と尖閣諸島を除く)に、日本国外では朝鮮半島、中国、台湾に分布します。   (植物園 伊藤健)

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