植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

植物開花情報(594) ハシカンボクBredia hirsuta Bl. (ノボタン科) 2014-10-17 東京農大・農学部・植物園

ハシカンボクBredia hirsuta Bl. (ノボタン科)

樹高1m余りの亜熱帯性の常緑低木で、9月から11月に枝先に集散花序をつくり、径1cmに満たない淡いピンキ色稀に白色の花を多数咲かせます。花弁は4弁で、ノボタン科の特徴で雄蕊は長く途中でクモの足にある節のように曲がっています。葉は対生に出、葉脈は3本が目立ち、縁には細かい鋸歯が見られ、葉の裏面は白みを帯びています。霜が見られない南関東などでは路地でも栽培が可能ですし、寒い地域では鉢植えで楽しむことができます。
鹿児島県屋久島から沖縄県与那国島まで分布し、台湾まで分布するようです。また、鹿児島県のレッドリストで準絶滅危惧種に位置付けられています。            (植物園 伊藤健)

植物開花情報(593) コハマギクChrysanthemum yezoense Maek. (キク科) 2014-10-16 東京農大・農学部・植物園

コハマギクChrysanthemum yezoense Maek. (キク科)

秋も深まり、短日植物であるキク属の植物に多数花芽ができ、これから咲き始めます。その先陣を切るかのようにコハマギクが開花しました。本州(関東地方北部以北)・北海道・北半球(寒帯)の海岸の岩場に生育する多年草。近縁種のハマギクC. nipponicumは茨城県から青森の海岸の崖などに生育する亜低木で一部生育地が重なりますが、ハマギクより花は一回り小さい。ハマギクの葉はへら形で密に互生するが、コハマギクの方は5中裂または5浅裂する広卵形で柄も長い。同じく近縁種で北海道西南部やサハリンの海岸の岸壁などに生えるピレオギクC. weyrichiiの葉は羽状に深裂し、裂片には粗い鋸歯または歯牙が見られます。                               (植物園 伊藤健)

植物開花情報(592) Cyclamen hederifolium Aiton (サクラソウ科) 2014-10-15 東京農大・農学部・植物園

Cyclamen hederifolium Aiton (サクラソウ科)

早咲きの原種シクラメンが開花しています。多くの人には正月前後に出回るシクラメンはよく知っているとは思いますが、本種はそれと比較すると明らかに小型で草丈20cmほど、花も2cmと小型。地中海沿岸地域原産で、日本の夏にも強く、また寒冷地でも路地植えで楽しむことができます。花色も赤から白色まであり、花後出てくる葉に見られる模様も十分観賞価値があります。花後花茎は地際に丸くなり、このことが属名のCyclamen(英語のclycle=サイクル) は、ギリシャ語の 「kiklos」 を語源とし、丸いという意味に通じます。 (植物園 伊藤健)

植物開花情報(591) ヤマラッキョウAllium thunbergii G.Don (ネギ科) 2014-10-14 東京農大・農学部・植物園

ヤマラッキョウAllium thunbergii G.Don (ネギ科)

ネギの仲間Allium属のヤマラッキョウの花が咲きはじめました。夏に高さ40cmほどの花茎を伸ばし、9月から11月に花茎の先端に球状の花序をつくり、多数の花を半開き状に咲かせています。花被は6個で、普通ピンク色で稀に白色。6本のおしべと1個のめしべは花被より長く開花期には目立ちます。根出葉は細く、断面が稜形で幅は5-1cm程度、揉むとニラのような匂いがする。本州福島県以南から沖縄、国外では朝鮮半島、台湾、中国にも分布する多年草で、やや湿った草地に生育します。
山菜としての利用はあまり知られていませんが、実際には地下部分の鱗茎部分を主に食べることができるようです。          (植物園 伊藤健)

植物情報(590) 北アルプス山麓からの植物情報 栂池自然園 2014-10-13 植物園

北アルプス山麓からの植物情報 栂池自然園

大学カレッジ講座本番、今日は栂池自然園に出かけました。雲一つない晴天、ゴンドラからはブナ林の紅葉、バックは後立山連峰、白馬三山はっきりと望めます(画像 上から1)。湿原から望む斜面にはダケカンバの男性的な白い幹が目立ちます(画像 2)。
みなさんよくご存じのブルーベリーの仲間クロマメノキ。(画像 3)の果実が湿原内に目立ちます。花が大きく高山植物で人気の高い1科1属1種日本固有種のシラネアオイ(画像 4)もすでに果実は裂開し種を散布し終わっています。今日の行程の最終最高標高地点「浮島湿原」で、主峰白馬岳を正面に見ながらの昼食(画像 5)。参加者、台風の事を気にしながら大満足の植物観察会でした。
(植物園 伊藤健)

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