植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

植物開花情報(741) カジイチゴRubus trifidus Thunb.(バラ科) 2015-03-31東京農大・農学部・植物園

カジイチゴRubus trifidus Thunb.(バラ科)

海岸付近に生育する半常緑低木で、厚木では冬場に落葉しますが、暖地では葉は落葉せずに残ります。厚木では比較的芽吹きの早い植物の1種で、冬芽には掌状に3〜7裂し光沢のある葉を含み、葉の展開とともに内部に集散花序が成長し上向きの径4cm余りの大型の白色の花を数個咲かせます。そして、6月頃には淡黄色に果実が熟し、食べられるが、種子が残りざら付き食感が今一歩。時に庭木として植栽されますが、地下茎を伸ばして周辺に広がりますので、場所を考えて植栽した方がいいようです。                            (植物園 伊藤健)

植物情報(740) ケヤキZelkova serrata Makino(ニレ科)の芽生え 2015-03-30東京農大・農学部・植物園

ケヤキZelkova serrata Makino(ニレ科)の芽生え

つい先日まで葉が落葉した姿をしていたケヤキですが、このところの暖かさで葉が展開し始めました。ケヤキの落葉した冬の姿・樹形は「竹ぼうきを逆さ」したような形で遠くから見てもわかります。そして、今の季節、冬から目覚めたケヤキは葉を展開し始めますが、この芽生えに大きな特徴があります。同じ株でも枝によって葉を展開し始めたもの、まったく葉を展開しない枝が混ざり合っています。
(植物園 伊藤健)

植物開花情報(739) ヒトツバエゾスミレ(スミレ科) 2015-03-30東京農大・農学部・植物園

ヒトツバエゾスミレViola eizanensis Makino var.simplicifolia Makino(スミレ科)

日本には細分すれば100種類以上のスミレ属植物が見られます。従って分類も難しくも同定も難解です。そんな中で葉が細かく切れ込むエイザンスミレV. eizanensisは誰にでも区分できる種類です。しかし、そんなエンザンスミレでも葉が不規則に切れ込むものタイプものものが極稀に見られ、エンザンススミレの変種ヒトツバエゾスミレvar. simplicifoliaに区分されています。

画像 上2枚)ヒトツバエゾスミレ
画像 下1枚)エイザンスミレ
(植物園 伊藤健)

植物開花情報(738) バイモFritillaria thunbergii Miq.(ユリ科) 2015-03-28東京農大・農学部・植物園

バイモFritillaria thunbergii Miq.(ユリ科)

現在、旧植物園裏手の雑木林でバイモが開花しています。中国原産の半蔓性多年草で、葉の先端が反巻しており、草丈50cmほどで、花径約3cmの淡緑色の花を咲かせています。花の内側には黒紫色の網目状の紋様があります。これが編笠のように見えることからアミガサユリとも呼ばれます。バイモ(貝芋)という名は、地下に厚い貝のような形をした鱗茎を持つことから名付けられました。この鱗茎は乾燥させると鎮痛や止血などの効能がある生薬として知られていますが、全草にアルカロイドという毒も持っています。日本には薬用植物として江戸時代に持ち込まれました。しかし、奈良時代以前には渡来していたとする説もあります。現在ではおもに観賞用として栽培されることが多いようです。          (厚木植物研究会 農学科1年 白石 彰)

植物開花情報(737) シダレザクラ(バラ科) 2015-03-28東京農大・農学部・植物園

シダレザクラCerasus spachiana Lavalée ex H.Otto var. ascendens(バラ科)

キャンパス内のシダレザクラが満開に近づいてきました。シダレザクラとは、一般的には枝が枝垂れているサクラの総称として使われることが多いですが、植物学的にはソメイヨシノCerasus x yedoensis の片親であるエドヒガンCerasus spachiana var. spachiana f. ascendens の枝垂れているタイプを指します。江戸(東京)では彼岸の頃に咲き始めることからエドヒガンと呼ばれるこの樹は、萼筒の下部が球状に膨らんでいるのが特徴的です。このことは上の写真からも確認できます。また、一般的なソメイヨシノは約50〜60年程度で寿命を迎えるのに対し、エドヒガンは樹齢が1000年以上のものも存在し、桜の名木が日本各地に見られますが、その大半はエドヒガンやその変種に当たるシダレザクラでもあります。
               (厚木植物研究会 バイセラ 2年 東海林是人)

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