植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

植物開花情報(833) オサランEria japonica Maxim. (ラン科) 2015-06-14東京農大・農学部・植物園

オサランEria japonica Maxim. (ラン科)

日本在来種のラン科植物というと、良く栽培される洋ランなどに比べると花も小さく地味な花が大半を占めます。そんな地味な日本に自生するランですが、愛好家は多数おり盗掘なども多くラン科植物が絶滅に瀕しているのが現状です。ここに紹介するオサランですが、日本南部から台湾に分布する小型の多年草で、樹木の幹や崖の岩肌などに 根を張り生育する着生種です。株元にはラン科特有のバルブを持ち、梅雨頃になるとその先端に2枚の葉を付け葉の間から花茎を数cm伸ばして、そこに1〜2輪の白い花を咲かせます。花の大きさは径1cm前後で、中心部分の唇弁(リップ)が赤褐色や黄色に色づきます。花の寿命は短く、開花して2〜3日すると薄く赤褐色のシミが出てきてしおれてしまいます。                  (植物園 伊藤健)

植物開花情報(832 ) ホタルブクロCampanula punctata Lam. var. punctata(キキョウ科) 2015-06-13-東京農大・農学部・植物園

ホタルブクロCampanula punctata Lam. var. punctata(キキョウ科)

今の季節である初夏から夏の前半にかけて、キャンパス内に長さ4、5?の釣り鐘形の白〜淡紅紫色の花を茎の先端部に多数咲かせています。ホタルブクロの花です。本種の属名Campanulaは、ラテン語で「小さな鐘」の意味で、別名チョウチンバナとも呼ばれます。日本各地から東アジアに広く分布し、林縁や草地など日当たりのいい場所に普通にみられます。実は近縁で本種の変種に当たるヤマホタルブクロC. punctata var. hondoensis がキャンパス内に僅かですが生育しています。よく似ていますが、下の写真右側のホタルブクロにはガク片の間に葉状の付属体があり、後方に強く反り返っています。探してみてはいかがですか?
画像 上)ホタルブクロ
   中)ホタルブクロ
   下)ヤマホタルブクロ

         (博物館実習生 バイセラ 4年 遠藤舞子)

植物開花情報(831) オウゴンオニユリ(ユリ科) 2015-06-12東京農大・農学部・植物園

オウゴンオニユリLilium lancifolium Thunb. var. flaviflorum Makino (ユリ科)

オニユリL. lancifoliumの変種で対馬にのみに自生します。厚木キャンパス内にも見られるオニユリは日本本土に分布し、国外から持ち込まれたと考えられていますが、すべて種子をつけない3倍体であり、ムカゴで繁殖します。つまり、親・子・孫がすべて同じクローンな訳です。ところが、対馬のオニユリは2倍体が多く、種子をつけるため、遺伝子が混ざり合い、突然変異を起こす可能性が考えられ、これが対馬だけにオウゴンオニユリンが見られる理由のようです。2倍体のオニユリですが、対馬、韓国済州島、釜山などに自生します。オウゴンオニユリは草丈は1〜2mに達し、花季は6月から7月で、花弁は強く反り返り、黄地に赤の斑点を生じる。葉の付け根にムカゴを作ります。                      (植物園 伊藤健)

導入植物情報(830) 南アメリカ・アンデス高地の野菜2種 2015-06-11東京農大・農学部・植物園

南アメリカ・アンデス高地の野菜2種

南米アンデス・高地の珍しい植物が手に入りました。画像左に見られるものは根茎部分に当たりますが、現地名)オカOcaと呼ばれる多年草植物で、なんと路傍・畑などに生育するカタバミ科カタバミ属Oxalisの植物で、アンデスカタバミO. tuberosa L.呼ばれます。アンデスの人々が根茎部分を主食として食べていたようです。花は黄色で、地上部分の形状は少し毛深いカタバミといったところです。
画像右側に見られる球形の根茎は、ツルムラサキ科蔓性植物で現地名オユーコ(Olluco)Ullucus tuberosus Lozで、画像部分である根茎部分をジャガイモのように食べるようです。いずれにしても世界には興味深い植物・野菜が見られるものです。       (植物園 伊藤健)

植物開花情報(829) マツモトセンノウSilene sieboldii H.Ohashi et H.Nakai(ナデシコ科) 2015-06-11東京農大・農学部・植物園

マツモトセンノウSilene sieboldii H.Ohashi et H.Nakai(ナデシコ科)

本株は栽培品で江戸時代には多くの品種が作られ広く山野草として親しまれてきた多年草で、明治に入るまでにそれらの品種の大半はすべて失われていまいました。これに対す、自生のものは九州・阿蘇地方の草地に極稀に生育するだけで、絶滅危惧II類(VU)に登録されています。花の大きさ5cm程度の赤・白・橙・桃色・絞りなど清楚な花色で、5枚の花びらは浅く切れ込んでいます。また「仙翁」の名は京都府嵯峨の仙翁寺に伝わったことに由来し、「松本」は花の形が歌舞伎役者の松本幸四郎の紋所に似ていることからきている説と長野県松本に分布していた説などの諸説あります。 (厚木植物研究会農学 農学1年 佐藤優花)

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