植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

植物開花情報(1163) ナツロウバイ(ロウバイ科) 2016-05-10東京農大・農学部・植物園

ナツロウバイSinocalycanthus chinensis W.C.CHENG & S.Y.CHANG(ロウバイ科)

中国の浙江省が原産の樹高1〜3mほどの落葉低木で、山地の林内に生育します。葉は長楕円形で、対生します。5月から6月ごろ、枝先に外側の花弁が薄いピンクがかった縁取りのある白で、内側が黄色の半八重咲きで花径6〜7cmの大型の花をやや下向きに咲かせます。ただし、残念ですが春に咲くロウバイのような芳香はありません。現地では現在絶滅危惧種に指定されているという。強健で育てやすく、日向を好むが、日本では東北あたりまで植栽可能な耐寒性が強い本種です。                      (植物園 伊藤健)

植物開花情報(1162) アメリカハッカクレンPodophyllum peltatum L.(メギ科) 2016-05-09東京農大・農学部・植物園

アメリカハッカクレンPodophyllum peltatum L.(メギ科)

北アメリカ原産の多年草で、葉の切れ込みが深い径20cmほどの葉の下に花径5cmあまりの大きな白い花が咲かせます。そして、開花後には赤い果実ができることからMay Appleメイ・アップルとも呼ばれます。中国原産の同属の近縁種にハッカクレンP. pentatumかありますが、こちらの葉も大形ですが葉に切れ込みは見られず、葉の下に赤褐色の抱え咲きの花を数輪咲かせます。本属植物は全草に属名に使われたPodophyllumポドフィラムと呼ばれるアルカロイドを含んでおり、中国では解熱剤として使われますが、摂取する量を間違えると死に至ります。        (植物園 伊藤健)

植物開花情報(1161)  2016-05-08東京農大・農学部・植物園

カザグルマClematis patens C.Morren et Decne.(キンポウゲ科)

キャンパス内に大きな花を咲かせている園芸植物クレマチスが見られますが、その元となった原種にカザグルマがあり、購入品ですが比較的大きな花を開き始めました。カザグルマは、本州、四国、九州北部、東アジアに分布し、おもに林縁に生えるツル性多年草。5-6月に短い若枝の先に白色または淡紫色の花を単生します。花びらのように見える萼は普通8枚で長さは7-8 cmで、生育地のより変異が多数見られます。日本では人々の生活の変化や開発による自生地の消滅、園芸の愛好者らによる採集等によって個体数を減らし、環境省によりレッドリストの準絶滅危惧(NT)の指定を受けています。また、近縁の種類に、中国産のテッセンC. floridaがあり、普通は萼6枚。ともにクレマチスの園芸品種の交雑に使われています。 
画像 上)東京都青梅産      
   下)兵庫県三田産      

                (植物園 伊藤健)

雪国・新潟からの情報(1160) サワオグルマTephroseris pierotii Holub(キク科) 2016-05-07東京農大・農学部・植物園

サワオグルマTephroseris pierotii Holub(キク科)

雪国の植物が見たく新潟県の豪雪地域・魚沼に来ています。例年より春が早く、白馬山麓同様カタクリなどはすでに花が終わり残念ですが、水田脇の湿地にサワオグルマの鮮やかな黄色の花が咲いていました。
山地の湿地や水辺、水田放棄地に見られ、日本では本州・四国・九州に分布する日本固有種の多年草です。草丈は30〜80cmと高く、茎の先端部分に散房花序を作り、ほぼ水平上に頭状花を10数個つけます。頭状花は径3〜5cmほどで鮮やかな黄色で目立ちます。食事に立ち寄ったお蕎麦さんの入口脇の花瓶にこの花が多数生けられていたのが印象的でした。   (植物園 伊藤健)

植物開花情報(1159) ヒトツバタゴChionanthus retusus Lindl. et Paxton(モクセイ科) 2016-05-04東京農大・農学部・植物園

ヒトツバタゴChionanthus retusus Lindl. et Paxton(モクセイ科)

今の季節、花が満開を迎えると樹幹全体に雪が降り積もったように見えます。中国、台湾、朝鮮半島に分布し、国内では木曽川流域の東海地方と長崎県対馬に限られて自生する落葉高木で、雄の木と雌の木がある雌雄異株で5月になると深く4つに裂けた白い花を咲かせます。よく「ナンジャモンジャノキ」と呼ばれることがありますがこれは特定の木を指しているのではありません。本種で考えれば、対馬・木曽川流域と生育地が限られ、怪木や珍木に対して名前が解らず地元の人々が付けた愛称です。自然樹形が美しく、花の満開時の見事さから公園、神社仏閣などに大木が植栽されています。      (植物園 伊藤健)

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