植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

植物結実情報(1372) イヌビワFicus erecta Thunb. var. erecta (クワ科) 2016-12-26東京農大・農学部・植物園

イヌビワFicus erecta Thunb. var. erecta (クワ科)

現在イヌビワが厚木キャンパス内の雑木林内で大繁殖をしています。空き地などに秋になるとセイダカアワダチソウSolidago altissima(キク科)が群落を作り黄色の花を多数咲かせていますが、イヌビワはそのセイダカアワダチソウの雑木林バージョンといったところです。イヌビワは本州関東以西、四国、九州、沖縄の海岸や沿海の山地に自生する生長がはやい雌雄異株の落葉小高木で、厚木キャンパス付近は本来の自生地ではなく、人の手によって植栽された株から増殖したものと考えられます。本種の和名にビワEriobotrya japonica(バラ科)とついていますが、イチジク属Ficus(クワ科)の植物で、イチジクを小型化した径1〜2cmほどの果実が今の季節枝先に多数見られます。また、冬を控え倒卵形から長楕円形の葉は黄葉していますが、葉の幅の狭いホソバイヌビワ f. sieboldii タイプの個体も見られます。       (植物園 伊藤健)

植物開花情報(1371)ウメArmeniaca mume de Vriese(バラ科) 2016-12-22東京農大・農学部・植物園

ウメArmeniaca mume de Vriese(バラ科)

ウメが開花し始めました。開花が早いような気がしますが、冬至(‘Touji’)と呼ばれる品種でその名前のように冬至の季節に合わせて咲くようです。中国原産のウメですが早いものでは今の季節からから3月中旬まで多数の品種が知られていますが、果実(梅)を利用する実ウメと花の観賞するための花梅など500品種以上あるといわれています。

画像)上、中 冬至(‘Touji’)
   下 次に咲きそうな寒衣'Kangoromo’
   
                  (植物園 伊藤健)   

植物開花情報(1370) ワビスケ ‘ソウシンワビスケ(湊晨侘助)’ 2016-12-21東京農大・農学部・植物園

ワビスケ ‘ソウシンワビスケ(湊晨侘助)’Camellia wabisuke 'Soshinwabisuke' (ツバキ科)

ツバキ育種家平井湊晨氏によって2005年に発表された一重・猪口咲き・極小〜小輪、2〜3月咲きのワビスケです。‘シモウサワビスケ(下総侘助)’ C. wabisuke   'Shimouwabisuke'の自然実生で、花弁に白い覆輪が見られることから花粉親はツバキ‘タマノウラ’C. japonica ‘Tamanoura’と推測されます。花に強い香りはなく、子房の上部に少数の毛が見られます。      (植物園 伊藤健)

植物開花情報(1369) Calanthe rosea Benth.(ラン科) 2016-12-20東京農大・農学部・植物園

Calanthe rosea Benth.(ラン科)

温室内は早くも春がやってきているのか、早春に咲く植物が開花し始めています。エビネ属Calantheは東南アジアを中心に200種ほどが見られ、国内には20種ほどは知られている地生ランです。
本種はタイ・ミャンマーの標高1000m付近の落葉広葉樹林内に見られる地生ランで時に着生ラン。日本産の同属植物と異なり、開花期には葉は落葉して見られません。儀鱗茎の基部から50cm前後で白色に軟毛が見られる花茎をのばし、上部に総状花序に作り普通7〜15ほどの淡いピンク色の花を咲かせます。             (植物園 伊藤健)

植物情報(1368) カニクサLygodium japonicum Sw. (カニクサ科) 2016-12-19東京農大・農学部・植物園

カニクサLygodium japonicum Sw. (カニクサ科)

植物などに巻き付くように生長するシダ類では珍しいつる植物。決して珍しい植物でなくキャンパス内にも探せば多数みられます。分布も広く日本中部以南、琉球列島から、東アジア、東南アジアを経てオセアニアに渡る広い分布域を持ちます。長くのびる蔓は1枚の葉で、本当の茎は地下に横に這い見られます。主軸沿い羽片が左右にほぼ対をなして見られ、羽片には胞子のつくものとつかないものの分化が見られ、羽片ごとに胞子葉と栄養葉が分かれているような感じがみられます。   (植物園 伊藤健)

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