植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

植物開花情報(1544) オトギリソウHypericum erectum Thunb.(オトギリソウ科) 2017-06-30東京農大・農学部・植物園

オトギリソウHypericum erectum Thunb.(オトギリソウ科)

オトギリソウの可愛い花が咲き始めていますが、漢字で表すと「弟切草」で何か不気味な名前です。これはこの植物を原料にした秘薬の秘密を漏らした弟を兄が切り殺したという平安時代の伝説によるものである。この不吉な伝説のため、付けられた花言葉も「怨み」「秘密」と縁起が悪くなっています。上の画像をよく見てください。花弁や萼片などに黒い点・線がありますが、これが切られた弟の血しぶきの跡であるとされています。日本各地、朝鮮半島、中国大陸の草地や山野に普通に見られる多年草で、草丈高さ20〜60cm大きいものでは1mにまで達し、夏に2cm程の黄色い花を咲かせます。
(植物園 伊藤健)

植物開花情報(1543) ネムノキAlbizia julibrissin Durazz.(マメ科)2017-06-28東京農大・農学部・植物園

ネムノキAlbizia julibrissin Durazz.(マメ科)

春の芽吹きがもっと遅い樹種にネムノキがありますが、早くも花が咲き始めました。日本では本州・四国・九州に、国外では、朝鮮半島、中国南部、イラン、アフガニスタンまでと広範囲に分布する陽樹で、荒れ地に最初に侵入するパイオニア植物の落葉広葉樹です。和名ネムとは夜になると葉が閉じることに由来します。葉は2回偶数羽状複葉。花序は枝先にでき、初夏に花を咲きます。花は繊細で美しく、長く伸びた糸状の雄蕊が多数見られ、桃のように甘い香りがあります。        (植物園 伊藤健)

植物開花情報(1542) Aesculus parviflora Walt.(ムクロジ科) 2017-06-27東京農大・農学部・植物園

Aesculus parviflora Walt.(ムクロジ科)

北アメリカ南東部原産のトチノキ属Aesculusの植物ですが、トチノキA. turbinataは直立性で樹高10m以上になりますが、本種は3-5mほどで茎を株立状に茎を多数出し、茎の先端部に長さ20-30cm余りの穂状花序を直立し、横向きに長さ3cmほどの芳香がある花を多数着けます。花弁は小さくあまり目立ちませんが、雄蕊が長く特徴的です。種小名「parviflora」は「小さな花の」という意味で、乳白色をした小さな筒状花をたくさんつけています。初めて見たときはこれがトチノキの仲間、少し驚きです。                  (植物園 伊藤健)

植物開花情報(1541) バショウMusa basjoo Siebold ex Iinuma(バショウ科)2017-06-26東京農大・農学部・植物園

バショウMusa basjoo Siebold ex Iinuma(バショウ科)

バショウの花が咲いています、実はバショウは中国原産と考えられるバナナの原種の1種です。野生のバナナの中で最も耐寒性がある種で、以前調べたことがありますが青森県でも栽培されています。ただし、寒い冬場には根元にモニガラを多数積み冬さの寒さを防いでいます。画像をよく見てください。バナナらしきものが見られませんか。実はこの部分は雌花が房状についた部分です。先端部分では雄花が咲いています。従って、雌花が受粉するためには近くに雄花が咲いていなければなりません。仮に受粉ができても、果実が成熟するまで6か月かかり、成熟前に冬の寒さのために種子ができるまでに至らないのがふつうです。    (植物園 伊藤健) 

植物開花情報(1540) フェイジョアAcca sellowiana Burret(フトモモ科) 2017-06-25東京農大・農学部・植物園

フェイジョアAcca sellowiana Burret(フトモモ科)

日本に昭和初期に導入された南米原産のフトモモ科の熱帯果樹で、花から果実まで楽しめる丈夫な常緑低木です。熱帯果樹としては珍しく-10℃ほどまで耐寒性があり、関東中部以西であれば一年中、屋外で栽培ができ、かつ、病害虫や乾燥にはかなりの耐性があります。夏、径4cmほどの花をつけ、雄蕊が放射状に伸びているのが特徴です。花弁は内側が赤褐色、外側が白色で分厚く、糖分を含んでおり、食すと甘みがあります。秋には果実が熟し、パイナップルとバナナの中間の様な芳香があり、果実は通常、自然落果したものを更に追熟させてから食べます。生食またはジャムやゼリーなどの加工食品、果実酒などに利用されます。
(博物館実習生 森林総合科学科 小松結)

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