植物園だより
(植物園ブログ 厚木キャンパス)

植物開花情報(1698)ムラサキツリガネツツジMenziesia lasiophylla Nakai (ツツジ科) 2018-04-30東京農大・農学部・植物園

ムラサキツリガネツツジMenziesia lasiophylla Nakai (ツツジ科)

中部地方以北には同属のウラジロヨウラクM. multifloraが分布し、「ツリガネツツジ」とも呼ばれます。これに対し、花は紅紫色で、丹沢、箱根、富士山麓などの山地の林の中や岩場に限定されて分布します。ただし大半は乱獲によって自生株は現在では見ることができず、絶滅危惧IA類に指定されています。5月から6月ごろ、枝先に総状花序をだし、紅紫色の2〜6個、下向きに咲かせます。花冠は筒状で、萼片の周りには長い毛が生えす。                  (元植物園職員 伊藤健)

植物開花情報(1697)クゲヌマランCephalanthera longifolia Fritsch(ラン科) 2018-04-28東京農大・農学部・植物園

クゲヌマランCephalanthera longifolia Fritsch(ラン科)

神奈川県藤沢市鵠沼の海岸のクロマツ林で発見されましたことにより、1936年に植物学者の前川文夫氏によりクゲヌマランC. shizuoi として発表され、当初は分区域が非常に狭いと考えられたのか絶滅危惧ll類(Vulnerable)に指定されています。形態的には近縁種ギンランC. erectaに比べ唇弁の基部の距が短く、わずかにしか突出しないのが特徴です。そのようなクゲヌマランですが、近年、埋め立て工事や公園設置工事が行われてタブノキ、スダジイ、マテバシイなどの常緑広葉樹林下に見られるようになり、厚木キャンパス近くの防災公園の常緑広葉樹林下に生育・開花を確認しました。
(厚木植物研究会 バイセラピー学科2年 根岸 充)

植物開花情報(1696)ヒトツバタゴChionanthus retusus Lindl. et Paxton(モクセイ科) 2018-04-24東京農大・農学部・植物園

ヒトツバタゴChionanthus retusus Lindl. et Paxton(モクセイ科)

ヒトツバタゴの花が咲き始めました。花の盛り時期は非常に見事で、その姿はよく「木がまるで白い雪に覆われたような美しい姿」と表現されます。本種は植物愛好家の中では「ヒトツバタゴ」よりは「ナンジャモンジャノキ」としてよく知られています。中国、台湾、朝鮮半島および日本では対馬、岐阜県東濃地方の木曽川周辺、愛知県に隔離分布する珍しい植物で、簡単に種名がわからずこのような名前で呼ばれるようになったと思われます。ただし、全国レベルでは各地に「ナンジャモンジャノキ」と呼ばれる樹種があり、厚木ではカゴノキLitsea coreana(クスノキ科)を「ナンジャモンジャノキ」と呼ぶことがあります。                (元植物園職員 伊藤健)

植物結実情報(1695)カラミザクラCerasus pseudocerasus G.Don(バラ科) 2018-04-23東京農大・農学部・植物園

カラミザクラCerasus pseudocerasus G.Don(バラ科)

シナミザクラ、暖地桜桃(ダンチオウトウ)とも呼ばれる中国原産のサクラですが、果実はサクランボとして食用になります。2月の下旬に開花し、すでに果実が大きく生長し、食べられる大きさになり、一部で赤くなってきています。あとは人間が食べるか野鳥が食べるかのどちらかです。サクランボとしてよく知られる‘佐藤錦’などはセイヨウミザクラの血をひき、これら種類は他花受粉のための異なるサクラを近くに植えなければなりません。本種カラミザクラは自家受粉で結実することから開花すると確実に結実します。
(元植物園職員 伊藤健)

植物開花情報(1694)ジャケツイバラ(マメ科) 2018-04-22東京農大・農学部・植物園

ジャケツイバラCaesalpinia decapetala Alston var. japonica H.Ohashi(マメ科)

日本各地、朝鮮・中国の急傾斜地や河原などの陽当たりのよい場所に生育するツル性の落葉低木で茎と葉軸の裏面に鋭く丈夫な逆刺が見られます。今の季節長さ約30 cmにもなる花序が葉の垂直に見られ遠くからでもよく目立ちます。花そのものは径25-30 mm、鮮やかな黄色、5枚の花弁は大きく開き左右対称、上1枚は小さく赤い筋が入ります。雄蕊は赤く、花糸の中央より下に白い毛が密生します。通常、雌蕊は10本の雄蕊に包囲され、外からは見えません。
                    (元植物園職員 伊藤健)

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