ランドスケープの広場
(造園科学科)

JAPON et FRANCE No.45(最終回)〜ノートルダムの祈り〜

“2010年8月31日”
フランスから一年ぶりに日本の土を踏みました。
翌1日から早速大学へ戻り、日本に社会復帰。
それまで続けていたブログ「De la FRANCE(フランスから)」のシリーズを「JAPON et FRANCE(日本とフランス)」に改めて早一年。
あっという間でした。

フランス生活最後の3日間は、パリでホテル住まい。
パリ市内の見残したところ、もう一度行きたいところを見て回りました。
その中で、ぜひ最後の最後に行きたかったのが、ノートルダム寺院からの夕日。
パリ発祥の地、セーヌ川の中州にあるシテ島に建つノートルダム寺院。
展望スペースへは土日のみ夕方遅い時間まで登ることができます。

ほとんどゼロからスタートした私のフランス語も、カタカナフランス語でも、その意味にハッと気づくことができる場面も出てきたところでした。
「レって牛乳なのね。なるほどカフェオレは、牛乳を入れたコーヒーか」
「ジャガイモは、ポーム・ド・テール。ポームはリンゴで、テールは大地。ほうほう、フランス人にとってジャガイモって、大地のリンゴなわけね。」
「ノートルは、「私たちの」なんだ。ふーん」
ん?
とするとダーム(dame)って?とみてみると・・・
「女性に対する正式な、敬意をもった表現」らしい。
「すごい!マダム以上」
ということは、聖母か。

さすが、一番の観光名所。
登るための行列に1時間半。
雨こそは降っていませんが、どんよりとした厚い雲。
吹きすぎる風は、すっかり秋。というかほとんど冬。
「夕日。だめかな。」

パリの街を包む一面の夕日に出会うことはできませんでしたが、遥か彼方にうっすらと紅に染まった空に、黄金色に輝く雲が浮かんでいました。
そう。いくら厚い雲が垂れ込めていても、その向こうには太陽が輝いています。

そして、寺院から見下ろす奇怪な魔除けたち。
私たちには見えなくても、必ず何かが私たちを見守ってくれているのかもしれません。
たいへんなこともたくさんありますが、夢をもって希望をもって…。
Fin
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福島南相馬〜その美しき風景〜

昨日おとといは、学部のプロジェクト研究メンバーの端くれとして、福島県南相馬市、相馬市へ。
海岸線を南から北へ、県の方に案内いただきました。

新田川、真野川などいくつもの河川とその周辺の低地。
低地と低地の間は、台地になっているのがこの地域の地形的特徴。

低地には耕地整理された方形の水田、台地内の谷戸には棚田。
台地には多くのため池が散在し、大きなものは低地への用水源としてのシステムが組まれています。

確かに低地を中心に津波の大きな被害。
その一方で、台地に入っていくと、美しい棚田景観が広がっていたのは意外でした。

相双地方の場合、津波だけでなく原発の影響もあり、その解決には時間もエネルギーもかかります。

計画学の立場からは、この生き残った以前の風景も地域再生への大切な糸口のようにも思いました。
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JAPON et FRANCE No.44 心の故郷・BEAUVAIS(ボーヴェ)

今、農大の夏期短期留学プログラムでフランスの姉妹校であるラサール・ボーヴェに行っています。
そういえば、昨年のご一行は、昨年の昨日、ボーヴェに到着しました。
そして、昨年の今日、私はボーヴェのアパートを引き払い、31日の帰国までの3日間をパリで過ごしました。

ヨーロッパの田舎街らしい街並み。
通りの右側のアーチ形の大きな門をくぐって、螺旋階段で3階にあがります。
屋根に見える部分がもうひとフロアになっているのが、一般的なヨーロッパの建物。
教会が見える明るい天窓、黒光りした美しい梁、アトリエ的ないい雰囲気の小さな部屋。
今思うと、第二の故郷といった懐かしさを感じます。

・・・

もう、一年たったんですね。
あっという間という一方で、なんか遠い昔、といいますか、行っていたことも夢のよう、といいますか、そういう夢があったのかという気すらします。
フランスと日本の時間の流れ方は違いすぎます・・・

もっとも、帰国してからしばらくは相当忙しくなることは織り込み済み。
このブログや講演依頼を除いては封印することにしていましたので・・。

でも、一年。
さて、そろそろ封印解いて次なるステージ・・かな?
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日本の夏、日本の美

4年生になった途端休学。
1年間を農村ボランティアで過ごしている学生さんからメールが届きました。

静岡県の山間部・久留女木の古東土(ふるとうど)の水田だそうです。
東海道や中山道とその周辺は、わりと通っているのですがさすがにこのあたりはまだでした。
調べてみると日本の棚田百選らしいです。

・・・・

ん〜

・・・

やっぱりいいですな。

美しい・・

向こうの霞などは、なんかこうまったりとした感じが、なんとも・・
それに、緑の香りを包んだ涼しい風がささやきかけてきそうです。

日本の色彩は湿度が関係していて、こうした空気によって色合いが淡くなり、そしてその微妙に変化した色一つ一つに名前がついている・・
以前、シンポジウムで日本画家の平山郁夫先生が、こんな感じの話をされていました。

形や色というのは、地域ごとの気候、風土、生活のしかたなどに裏付けられているのです。

当然のことながら、こういった美しいところがまだまだたくさん日本にはあるのです。

また秋の風景を待ってます
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街歩きTokyo〜ブラームスの小路からお台場へ〜

週明けは街歩きから始まりました。
千葉県内にある県立高校からの依頼で、高校生8名をランドスケープデザインの世界へご案内。
これはここの高校が取り組んでいる特別プログラムで、今回のテーマは「日本のものづくりの技術」。
私はその中の「ランドスケープデザインとは」がお題でした。

「とは」といっても机の上で講義しても実感が湧かない。
と、いうことで現場に乗り出しました。
これぞ農大・実学主義。
現場で生で体感するのです。

小雨交じりの原宿駅竹下口に集合。
中高生であふれる竹下通りを十数メートル脇に入っただけの路地。
ここには大人の雰囲気漂うシックなブラームスの小路。
小さな水路にふたをした裏通りに、ちょっとランドスケープの手を加えるだけでいきいきとした魅力的な空間に生まれ変わります。

その後一行は、表参道に出て、根津美術館前を通り、青山霊園を抜け、新国立美術館、そしてTokyoミッドタウンへ。
高校生の若さでもさすがにばて気味?
でも、こちらの説明に聞き入り、投げかけに必死で考え、答え、がんばってました。

そして、最後は「ゆりかもめ」にのってお台場へ。
気持ちはお台場合衆国のようでしたが、今日はお勉強お勉強。
中央コンコースの軸線を東京タワーに向けている点など、周辺との関係でデザインすることの大切さ、そした、樹木や水などその場の資源をうまく活用していくことの重要性を確認して解散となりました。

午後には時々うっすらと明るくなった一日。
参加した生徒の皆さんの将来が明るくなることを祈りたいと思います。
(S)

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