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(「食と農」の博物館)

試飲フェア蔵元紹介その9 静岡の富士錦酒造さん

 6月17日(日)開催の「農大蔵元試飲フェア」、引き続き、出展蔵元さんのご紹介をしてまいります。今回は、 静岡の富士錦酒造さんをご紹介します。

《富士錦酒造》
――静岡県富士宮市に位置する富士錦は標高約200mの場所にあります。
 創業は元禄年間(1688〜1704)で300年以上続く静岡県では最も歴史のある蔵元です。現在は十八代目の清信一が蔵を守っています。
 創業以来、富士山の柔らかな湧水を仕込み水として使用し、三百年間培われた伝承技法を駆使して、皆様に愛される蔵元を目指して日夜美味しい清酒の醸造に励んでいます。
 仕込み水に使用している富士山の湧水は硬度32と、非常に柔らかな軟水で、蔵の真下に豊富で綺麗な富士山の伏流水の層があり、そこから湧いている湧水を利用しています。
 (元素調査の結果、現在の湧水は約74年前に富士山に降った雨や積もった雪などが時間を掛けて伏流水となり当蔵の地下に来ているものです)
 余談ですが、この仕込み水でお茶やコーヒーをいれても大変美味しくいただけます。
 井戸の深さは32メートルと、井戸としては比較的浅いものですが、富士山が昔に噴火した時に流れ出た溶岩が強固な岩盤となって地層を現在も守り続けています。

【名前の由来は?】
――十四代目と親交のあった尾崎行雄「号は咢堂(がくどう)」氏(かつて第二次大隈内閣の時に司法大臣をし、東京市長時代にアメリカのワイントンDCに桜の苗木を贈ったことでも知られる)が、1914年にこの地を訪れ、富士山の紅葉の美しさに感動し「富士に錦なり」と銘をもらいました。これが酒銘「富士錦」の誕生でした。

【富士錦と「純米酒」】
――昭和43年に十七代目蔵元が当時の法律に定められていない特別な許可を直談判により大蔵省からいち早く得、戦後全国に先駆けて当時では贅沢品であった「米」だけを使用したお酒「富士天然醸造」を造りました。これが現在の市場にある「純米酒」のきっかけになりました。
 当時は「純米酒」という言葉すら無い時代で、戦時中より米不足だった事により、米の他に「水あめ」や「調味料」などを添加して、大量の「醸造アルコール」を加えて、「少ないお米で出来るだけ多くのお酒を造る事」が流行していたのです。ですから、十七代目のこの決断は業界に風穴を開ける大きな決断でした。

 富士錦酒造さんのこだわりのひとつが、伝統の和釜蒸製法。
 直径約1.7メートル、深さ約1.5メートルの和釜で昔ながらの作り方で蒸米を造っていて、大量の蒸米を造る事には適していません。和釜から立ち上がる蒸気でお米一粒一粒に蒸気がいきわたり均一に蒸されるため、とても良い蒸米が出来上がるそうです。

 静岡生まれの酒米・誉富士(ほまれふじ)を100%使用した「富士錦 特別純米 誉富士」は、しっかりした味と香りのバランスが絶妙の純米酒。「富士錦 純米大吟醸 愕堂(がくどう)」は、「富士錦」の酒銘誕生100周年を記念して造られた純米の最高峰。希少な酒米「愛山(あいやま)」を使い、霊峰富士の湧水で仕込んだ試飲マストの逸品です!

試飲銘柄
 ・富士錦 湧水仕込 純米酒
 ・富士錦 純米吟醸酒
 ・富士錦 特別純米 誉富士
 ・富士錦 吟醸酒
 ・富士錦 純米大吟醸 愕堂

富士錦酒造株式会社
http://www.fujinishiki.com

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