博物館トピックス
(「食と農」の博物館)

博物館実習レポート 「山梨県小菅村『見て、聞いて、作って、食べて 多摩川源流大学流 農山村地域との関わり方』」

 平成30年9月22日(土)「食と農」の博物館2階のセミナー室にて「東京農業大学 地域連携活動紹介講座 山梨県小菅村『見て、聞いて、作って、食べて 多摩川源流大学流 農山村地域との関わり方』」が開かれました。
 本講座では多摩川源流大学スタッフの矢野加奈子さんから源流大学の取り組みについてのお話、株式会社boonboon代表取締役の鈴木一聡さんから小菅村での鳥獣害に対する取り組みのお話を伺い、その後、クラフト体験や小菅村特産品の試食を行いました。今回、14名のお客様にご参加いただきました。


 小菅村は秩父多摩国立公園内にあり、多摩川の源流部に位置しています。95%が森林に囲まれており、都心から80km圏内にありながら四季折々の自然と昔からの生活文化が残っています。小菅村の人々は上流域を守ることは自分たちの暮らしを守ることだと考えて、川の水を汚さないようにおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんの代から言われ続けているそうです。下流に住む私たちがきれいな水で生活できるのも、小菅村の人々のおかげなのでしょう。

 多摩川源流大学は東京農業大学が行っている人材教育プログラムで「合同会社 流域共創研究所だんどり」が運営をサポートしています。小菅村やその他の流域地域全体を学びの場として農作業や文化体験などの体験実習を行い、その実習を通して農山村地域の暮らしを理解し、「百姓」を育成することを目的としています。「百姓」というのはどんなことでもできる人という意味で、将来様々な分野で活躍できる人材を育成することがこのプログラムの目指すところだということです。

 鈴木さんはシカの利活用、野生動物管理、自然体験活動の取り組みを行っていて、今回は小菅村での鳥獣害に対する取り組みのお話を伺いました。シカの捕獲から解体までを一貫して行い、お肉をイベント出店や道の駅で販売し、角や皮などはクラフト素材として活用しています。動物の命を奪ってしまうわけだから、ただお肉を食べるだけでなく「シカ」という素材を無駄なく利活用しようということです。そして野生動物による農産物や林産物への被害を減らすべく、野生動物の調査や管理も行っています。

 お2人のお話を聞いた後は、いよいよクラフト体験です。シカの皮を使って小物入れを作りました。最初にホックボタンをつける作業です。鈴木さんの説明を聞いた後好きな色のシカ皮の布を選んで作業開始です。直後、あちこちからボタンをたたくコンコン、ドンドンという音が響いてきました。学生たちが各テーブルにサポートにつき、うまくつけられない人のフォローもしっかり対応しました。なかなかつけられない方もいらっしゃいましたが、鈴木さんや学生のサポートで皆さん何とかボタン付け完了です。

 次は小物入れの端を縫い合わせる作業です。皆さん自分の好みの色の糸を使って縫い縫い縫い縫い…と、ここで学生たちが何やら運んできました。小菅村の特産品を使った食事ですね。お漬物にふかしたジャガイモ、ジャガイモにつけるワサビマヨネーズディップ、そしてシカ肉バーガーまでありました!実はセミナー開始の時から部屋にはシカ肉を焼いた美味しそうな匂いが充満しており、待ちに待った試食の時間です。小菅村の特産品のお茶も召し上がりながら一緒に皆さん小休憩。参加者の皆さんは満足そうな顔で美味しそうに召し上がっていました。

 食事をつまみながら作業再開です。縫い終わったら布に自分のイニシャルなどを、電気ペンを使って入れていきます。完成したものを見せてもらいましたが、皆さんどれも上手にできていて、とても気に入られた様子でした。小物入れが完成したら、しばし談笑の時間です。作業を通じて皆さん中が深まったのでしょうか、誰もが笑顔で話をされていました。

 アンケートに答えていただき、セミナーは無事終了となりました。参加者の皆さんは自分で作った小物入れを大切に使ってくださることでしょう。

 最後に今回ご参加いただいた皆様、ご協力くださった皆様、誠にありがとうございました。

             博物館実習生 農学科 M.N

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