博物館トピックス
(「食と農」の博物館)

博物館実習レポート「ランドスケープをデザインする〜仏蘭西留学で見た「暮らし」の風景〜」

 令和元年11月10(日)、「食と農」の博物館1階映像コーナーにて「ランドスケープをデザインする〜仏蘭西留学で見た「暮らし」の風景〜」という講演会が開かれました。
 本講演会では東京農業大学 造園科学科 阿部伸太准教授がお話されました。当日は、ご高齢の方も聴講していただき盛況となりました。

 この講演会は企画展「みどりとの暮らしの舞台演出家/農大ランドスケープデザイン NOW&FUTURE展」の関連イベントとして開催されました。そこで、ランドスケープとは何かという基本的な話から、先生自ら1年間フランスに留学して見てきた「日本とは違うランドスケープデザイン」をお話してくださいました。

 ランドスケープは直訳すると風景という意味で、ランドスケープデザインとは、その風景をデザインすることであると先生は話していました。風景の捉え方としてナチュラルランドスケープ、マンメイドランドスケープ、マンデザインドランドスケープの3種類があり、自身が留学して見てきたフランスの景色と共にお話していただきました。中でも一番印象に残った話では、マンメイドランドスケープの一例として挙げられたモンブランの話です。モンブランは麓からロープウェイ2本を乗り継いで50mほどの絶壁を渡り、岩をくり抜いて作られたエレベーターで3000mほどの高さにまで辿り着けます。これによって簡単に素晴らしい景色を見ることができ、アクテビティの多様性を楽しめるような場作りをしているのには驚きました。
 またランドスケープを学問するにあたって、「見る」という字の五段活用があるという話もされました。「見る」「観る」「視る」「診る」「看る」からなるこの五段活用は、最初は普通に「見る」。次にテーマを決めて「観る」。そして深く「視て」、現状を把握してからよく「診る」。最後に寄り添うように「看る」のだという話で、食料自給率が120%の農業大国フランスでは農業に寄り添うようにランドスケープが存在していると話されていました。
 美しい風景は産業と共にある。この暮らしとしてのランドスケープが一番大切なことであることがよく分かりました。

 最後の質問コーナーではいろいろな質問が飛び出し、お客様の関心の高さが伺えました。会場の様子も笑いがあるような楽しい雰囲気でした。中でも一人の女性の「人の手の入っていない自然はフランスにもありますか?」といった趣旨の質問に対して先生は、多くの人が見る場所には人の手が入っている。フランスはそういった見せ方が上手いと回答しているのが印象的でした。

 今回お話をしてくださった先生、ご参加いただいた皆様、ご協力してくださった皆様、誠にありがとうございました。
最後に告知といたしまして、12月14日(土)にワークショップ「世田谷の公園やひろばをデザインしよう!」が開催されますので是非ご参加ください。また、今回の講演会と関連した企画展は「食と農」の博物館にて4月15日(水)までの開催となっております。ご興味のある方はぜひ一度足を運んでみてください。

 博物館実習生 食料環境経済学科 K.H、森林総合科学科 I.K

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