アンダンテ
(管弦楽部)

学生指揮者の練習日誌

おはようございます。トランペットパート所属、令和2年の学生指揮者です。


最近、ふと練習に使っていたスコア(全楽器の楽譜が記されたもの)を読み返したところ、ところどころに今後の練習で取り組む点やその練習方法などがメモされていたので、定期演奏会のプログラムに掲載予定だった曲目紹介とともに今回の演奏曲目であった

交響曲第1番ハ短調 作品5/ニルス・W・ゲーゼ
交響曲第2番「四つの気質」作品16/カール・A・ニールセン

の紹介と、練習の裏話などをお伝え出来たらなと思っております。


第1回で紹介するのは、第113回定期演奏会の1曲目
交響曲第1番ハ短調 作品5/ニルス・W・ゲーゼ 第1楽章、第2楽章になります。


第1楽章

『第1楽章は穏やかに始まります。ヴィオラにより提示された旋律は第1楽章のみならず楽曲を通して現れるため、楽曲全体の主題といっても過言ではないでしょう。この旋律が弦楽器・木管楽器で奏でられた後、トランペットをはじめとした金管楽器のファンファーレにより英雄的なアレグロ主題の開幕です。』

第113回定期演奏会はゲーゼの美しいメロディーにより静かに始まる予定でした。
しかし初めてこの曲を全体で合わせた時は…とにかく音の縦が揃わない!
静かな曲は音の出だしがズレてしまうとすぐにバレてしまうのが厄介なところです。加えて今回は演奏会でチューニングを除けば初めて舞台上で演奏される音なので、練習後期では厳しく取り組もうと思っていた課題の1つでもあります。

ファンファーレ以降はテンポも急激に早くなるので、練習初期は曲についていくことのみで皆さん精一杯でした。
しかし練習を重ねていくにつれて、アイコンタクトや呼吸、体そのものの動きで少しずつ音の縦が揃うようになってきました。

プロならば1,2回でピッタリ合わせてしまうのでしょうが、学生の部活ならではの幾度もの練習を重ねて少しずつ音を合わせていく時間、大人数で1つの曲を創っているという感覚がとても好きです。(その過程の中では色々衝突などもありますが…)

また、この楽章には付点8分音符と16分音符を合わせた所謂「スキップ」のようなリズムが多く登場します。オーケストラに限らず吹奏楽の練習などでもありがちなのが、この「スキップ」のリズムが3連符寄りの「音頭」のようなリズムになってしまうことです。
(音楽をやっていた方は1度は注意されたことがあるのではないでしょうか…?)
テンポが速い・タンギングが間に合わなかったりと様々な要因が重なり、ついつい楽な「音頭」リズムを演奏してしまいがちですが、必ずといってよいほど注意される箇所なので合奏練習では注目していました。
偉そうに指揮台に立って注意をしていますが、僕もたまにやります。人間、楽をしたい生き物なのです。


『後半部分は前半部分の繰り返しのように聴こえますが、より勇壮なものに変化していて、その興奮は収まることなくコーダへと続き、華やかに第1楽章を締めくくります。』

この楽章、コーダ(終結部)に向けて加速していきます。
高音の弦楽器や木管楽器は上述した「スキップ」リズムをフォルティシモでこれでもかと演奏した後コーダに突入。マラソンした後にすぐ100m走やれと言われているようなものです。
初合奏時には先へ先へと走っていく奏者もいれば、追いつけなくなってリタイアしていく奏者もちらほら…。
それでも練習後半にはこれもまた揃う兆しが見え隠れしていたので、もう少し練習を重ねていればとても華やかなコーダが完成していたかもしれません…

それにしてもこの第1楽章、これで曲が終結するかのような壮大な終わり方をします。
第4楽章と入れ替えても問題ないのでは…?とこっそり考えていたのですが、適当な事を書くのはやめておきましょう。第4楽章も第1楽章に勝るとも劣らない派手さです。お楽しみに。


第2楽章 

『小刻みな旋律が主体の曲想と、ヴァイオリンによる波打つような旋律が現れる曲想が交互に出現するのが特徴の軽やかなスケルツォ。』

スケルツォを漢字で表すと「諧謔曲(かいぎゃくきょく)」になります。日常生活では見慣れない言葉ですね。
スケルツォとは、ふざけた音楽を意味します。舞踏曲的な性質を持っていることが多く、快活でおどけた曲想が特徴です。(ものすごく暗く凶悪なスケルツォもあります。)


そして「スケルツォ」と名のついた音楽の殆どに共通していること、それは…「めちゃくちゃ速い」ことです。
ヴァイオリン・ヴィオラの楽譜が8分の6拍子の八分音符で敷き詰められ慌ただしい中で、合奏で最終的にはこの速さでやりたいですねと僕が発言してしまったとき、該当パートの皆さんは苦笑いしていました。申しわけありません。

というのも、世に出回っている参考音源を聴くとこの第2楽章を比較的遅めに演奏している音源がそこそこの割合で存在しているのです。つまりその遅めの音源に慣れてしまうと、楽譜表記のテンポで演奏した際に玉砕してしまうわけです。
初めて練習する曲を聴いてみるとき、最初に聴いた音源のテンポや表現が自分の中で楽曲の絶対的なイメージとして固定されてしまう音楽あるあるの一種です。(個人的な意見です)
自分のよく聴いていた音源が、一般的には「クセのある表現」の音源だったときの衝撃は忘れられないです。

余談ですが、僕は練習している曲の旋律を部員の名前で歌うことがちょっとした習慣で、この第2楽章に登場する旋律も見事名前で歌い上げ、部員に微妙に浸透させることに成功しました。旋律に歌いやすい歌詞(?)がつくと勝手に口ずさんだり頭の中で歌ってくれたりするので、自然と曲を覚えたり抑揚・表現を考えるきっかけとして役立ちます。どの楽器を演奏するにしても、歌唱練習というものはやはり偉大です。
(名前を歌われている本人がどういう感情をもつのかはわかりかねますが😎)

第2楽章後半にはチェロによる魅力的な独奏もありました。あるチェロ大好きな現2年生くんがこのソロを羨んでいたのを覚えています。
来年は思う存分弾いてくだされ!!

また終盤ではホルンパートのYくんが一人で低音を演奏しなければいけない箇所で苦戦していたのも印象的でした。他の楽器の音が消え正真正銘1人での演奏なので、絶対にミスをしてはいけない部分なのです。
皆さんは、音楽の中でミスをしてはいけない場面で、「絶対にミスするなよ」と喝を入れられるか、「ミスしてもいいよ」とかりそめの落ち着きを与えられるの、どっちが好みでしょうか?
僕はどちらも嫌です。なるべく平穏に生きたいのが僕の願いです。(トランペットを担当している時点でそれは不可能なのですが…)

第2楽章は第1楽章とは打って変わって弦楽器のピッツィカート(弦を指ではじく音、かわいい音が鳴る)で静かに終わります。この曲の中でもひと際美しい第3楽章への布石でしょうか。

第3楽章はオーボエのソロから始まるのですが…… 長くなってしまうので、今回はここまでといたします。

長い長い梅雨が明けたと思ったら、焼けつくような暑さの日々が続いていますのでくれぐれも体調にはお気を付けください。
(この記事…需要はあるのでしょうか??)

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